
このデビュー・アルバムを聴いて、正直驚いた。何と言う成長ぶりだろう。「Guilty」という英語タイトルから、「やましさ」
「うしろめたさ」、「罪」、いろんな言葉が浮かんでくる。日本人歌手があまり歌わない、ビリー・ホリディの名唱で知られる
この「Guilty」に挑戦し、タイトルにしてしまう何という潔さ、度胸満点の彼女だ。バックで支えるSӧkonoteの演奏も特
筆すべきだ。小林麻里の歌を引き立てつつ、ピアノ・トリオとしての自己主張も欠かさない。大橋祐子のピアノ、斎藤草平
のベース、鎌倉規匠のドラムスが渾然一体となって、強靭なサポートを行い、聴く者に爽快感を与える。録音も、繊細さと
高密度が同居したハイ・レベルなもので、音の拡がり、奥行きともに申し分がない。こんなアルバムを作る小林麻里はや
っぱりguiltyな女かもしれない。ジャズ・ヴォーカル・ファンだけでなく、オーディオ・ファイルにとっても、是非とも座右の1
枚にしてほしい作品だ。(後藤誠一)
【Member】
小林麻里(vo)
大橋祐子(p)
斉藤草平(b)
鎌倉規匠(ds)
【Tracks】
01 Caravan
02 Besame mucho
03 Guilty
04 Speak low
05 Amapola
06 A taste of honey
07 The Gift
08 You'd be so nice to come home to
09 My Romance
10 S'Wonderful
11 What a difference a day made
12 Como fue
【Credits】
Recorded by Etsuo Masukawa
Mixed by Shigeki Takasaka
Masterd by Shigeki Takasaka
Recorded at Studio 8(Yume Studio)